こちらは以前お買取りしました粉彩画です。
粉彩(ふんさい)というのは陶磁器の上絵技法の一つで、中国の清時代にヨーロッパの七宝技術を応用して開発されました。
粉彩ではこれまでの五彩技法では難しかった濃淡を表現するぼかし技法も出来るようになり、色数が増加したことで以前よりも細密で軽やかな絵付けがされるようになります。
画像の粉彩画は珠山八友の一人、王琦の粉彩画です。
珠山というのは景徳鎮市内にあり、明や清の時代には官窯が置かれていました。珠山を景徳鎮の別称として言うこともあり、中国画の技法を陶磁器に用いた粉彩作品で人気の高かった絵師をまとめて珠山八友と呼びます。
王琦もその珠山八友に数えられている絵師で、他には劉雨岑、王大凡、程意亭、毕伯涛、汪野亭、徐仲南、鄧碧珊などの絵師がいます。
王琦は1884年生まれで字は碧珍、別号に陶迷道人などを持っています。
17歳の頃から景徳鎮に入り、粉彩の人物画を得意としました。彼の作品は豪放な筆使いで、作風は清の画家、黄慎に似た雰囲気を持ちます。
珠山八友の中でも特に評価が高い絵師で、1937年53歳で亡くなるまでに多くの粉彩人物画を残しました。