今回いわの美術がお買取したお品物はスイスの時計ブランドマシューノーマンの置時計です。
マシューノーマンはスウィザ社のブランドとして18世紀の終わりに旅行用の時計として使われ始めたキャリッジクロックを作り続けている事で知られています。
その昔ナポレオンが、将校の一人が時間に遅れた事により戦いに負けそうになった事をきっかけに将校全員にキャリッジクロックを持たせたという話が残されており、17世紀~19世紀までキャリッジクロックは旅人のファッションアイテムとして大流行し、上流階級にも人気がありました。
そんなキャリッジクロックのパイオニアとも言えるマシューノーマンですがすべてが職人によるハンドメイドで制作されています。
キャリッジクロック1台を完成させるには300に及ぶ純真鍮製とスティール製の部品と2000の工程が必要で、これらは高級素材だけを使用しています。
また、製造技術と品質を保証するために各ムーブメントに番号をつけ、ムーブメントを作った職人の名前や販売日などが専用名簿に記載されています。
そして商品にはその番号が記された保証書が付き、マシューノーマンが自信を持って世に送り出している事が分かります。
今回お買取りしたマシューノーマンの置時計ですが残念ながら保証書などはなく、ゼンマイ部分にはかなり目立つ傷がありました。
美品であれば高価買取も期待できましたが、今回はマイナス評価分があったため高価買取にはなりませんでした。