写真のお品物は、以前お買取致しました本場大島紬の反物です。
今回お買取した本場大島紬の反物は、鹿児島県名瀬市の藤絹織物という織元が作った大島紬のブランド「都喜ヱ門」の純絹手織物のお品物です。
大島紬は、鹿児島県奄美大島の名瀬市を中心に作られる絹の平織物で、本来は紬糸で織られていましたが、現在は絹糸で織られています。 本場大島紬の産地は大きく、奄美大島と鹿児島本土の2つに分けられます。
大島紬は産地によって証紙が異なり、奄美大島産の大島紬である本場奄美大島紬には、地球印の証紙、鹿児島本土産の大島紬である本場大島紬には、日の丸の旗印の証紙ラベルがついています。
同じ鹿児島市産の本場大島紬でも、今回買取の金色のラベルがつけられている「都喜ヱ門」には、旗印ではなく、太陽印の証紙が貼ってあります。
「都喜ヱ門」は、藤絹織物のブランド名であるため、本場大島紬の旗印証紙はつきませんが、鹿児島市産の本場大島紬です。
今回買取の「都喜ヱ門」という本場大島紬のブランドは、戦前・戦後を通して大島紬の世界で活躍した名護市出身の藤都喜ヱ門に由来するものです。
藤都喜ヱ門は、3年をかけて大島紬の全工程をマスターし、18歳で大島紬工場主になり、戦争の時代を経て、大島紬業を再開します。その後、藤絹織物を設立し、自らの名前を用いた「都喜ヱ門」ブランドを立ち上げました。
「都喜ヱ門」は、本場大島紬づくりの名門として紬ファン憧れのお品物となっており、今回買取の本場大島紬「都喜ヱ門」の反物も、未使用の状態で高価買取させていただきました。
いわの美術では、美術品・骨董品の買取だけでなく、着物の買取実績も年間多数を誇っています。