今回、いわの美術がお買取りしたお品物は小鼓で蒔絵が施されている小鼓でした。
鼓には大きく分けてドラム缶型の胴を持つ「大鼓」と砂時計型の胴を持つ「小鼓」の2種類があり、音色を使い分けて演奏します。
鼓の起源はインドだといわれていますが、奈良時代に大陸から伝来し、日本で改良され、日本特有の伝統的な楽器のひとつとなりました。
太鼓と比べると音が柔らかく調べ緒を緩めたり締めたりする事で数種類の音色を打ち分ける事が出来、太鼓とともに1曲の進行を司る重要な役割を持っています。
この調べ緒の掛け方や小締の色や形状は流派によって異なっており、流派には観世流、大倉流、幸流、幸清流がございます。
また、鼓の音は内部の形よって決まり、かつて鼓は屋外で演奏される事が多い楽器でしたので、遠くまで音が良く通るように工夫が重ねられ、現在のような形になったそうです。
鼓は桜の木をくり貫いて作られ、胴の中は彫る時に出来る鉋目(かんなめ)とよばれるものが施され、この鉋目は鼓の音に影響が出てきます。
また、鉋目は別名「しらせカンナ」とも呼ばれ、波模様をいくつも重ねた「青海波(せいがいは)」や木の葉を散らした模様、細かいさざ波模様などがあります。
:蒔絵、作家、状態、時代
小鼓の買取ポイントは、細かく繊細な蒔絵、作家物、古い時代の物、状態が綺麗な物が高価買取のポイントとなってきます。
古い時代の物で状態が綺麗なまま残っていますと、とても希少価値が高く高価買取が期待出来ます。また、胴部分に作家さんや著名人の花押・サインがある小鼓は評価が高いです。
和太鼓、笙、琴、篠笛、琵琶
三味線、三線、尺八など
小鼓以外にも、上記に記載されている和楽器の買取も行っております。
和楽器に関しては、状態、作家がとても重要となってきますので、「買取ってもらえる物かわからない」などお困りのお品物などございましたら、お気軽にお問い合わせください。また、胴は音の響きに影響するため、胴部分に傷があると査定に影響します。お問い合わせの際はメールかお手紙でお写真を送って頂けると助かります。
今回、お買取りした小鼓には縦に細かい模様が入っているもので、外側には梅の図案の蒔絵が施されているお品物でした。
鼓の表面に塗られる漆は、美術的価値を持たせる意味合いもありますが、胴を湿気などから守るという役割も持ち合わせています。
また鼓に蒔絵で施される図案は、葡萄であれば「能は武家のたしなみで、武道を極める」という意味を持ち、くりの実であれば「くりの実が弾けるという意味から音が弾ける」という意味合いを込めて施されています。
ご両親の使われていた物や、ご自身で使っていて使わなくなった和楽器などございましたら、買取実績の豊富ないわの美術までお問い合わせ下さい。