今回のお買取りさせて頂いたお品物は、オレフォス(Orrefors)のフラワーベースです。
オレフォスはスウェーデンのスモーランド地方、オレフォス村にありますガラス工場です。
元々は実用的な窓ガラスや容器を作成していましたが、1913年に会社の所有者が変わると、より芸術性の高いガラス装飾の制作へと転換していきました。
装飾やデザインのため新しく雇用された画家はガラスを扱った経験はありませんでしたが、独自の芸術スタイルでユニークな作品を生み出します。
フラワーベースの裏に刻まれている、「Orrefors Ariel Nr. 158-E Ingeborg Lundin」というサインから、エアリアル技法とデザイナーの名前が分かります。
この技法は制作に技術も時間も必要なため、高価な物となりますが、今でもオレフォス社で生産されています。
ピカソのような顔が特徴的なこちらのフラワーベースは「Ansikten」と呼ばれ、Ingeborg Lundinによって赤や青の色の物も制作されました。
彼女は1947年から1971年までオレフォスに在籍した女性デザイナーで、代表的な作品にはAnsiktenの他に、「The Appel」と呼ばれる宙吹きの作品があります。
女性らしく透明感のある、洗練された美しい作品を作り、スウェーデンを代表する作家として、世界的にも有名な方です。