今回、お買取りしたお品物はマイセンのブルーオニオン・コンポートです。
マイセンはおよそ300年前にヨーロッパで初めての硬質磁器を生み出したドイツの名窯です。
17世紀ごろのヨーロッパでは純白で薄く、硬く艶やかな硬質磁器を作ることが出来ず、そのため硬くて丈夫な日本の伊万里焼や中国磁器に人気が集中していました。
当時ヨーロッパにはなかった硬質磁器を作るために列国の王侯貴族や事業家達は製法を見つけようと必死になっているところでドイツのアウグスト強王が錬金術師を監禁し研究させ、製法を解明し1710年にヨーロッパ初の硬質磁器窯マイセンが誕生しました。
マイセン磁器原料には硬質磁器に欠かせないカオリンが非常に高い割合で使われており、その量は約65%といわれています。
マイセンの造形方法は食器や花瓶は手動式ろくろや蹴りろくろを使い、人形の場合は石膏型を使う事や手ひねりだけで作ることもあります。
今回お買取りしたブルーオニオンは下絵付がされたお皿と人形が一緒になった珍しいお品物です。
下絵付は素焼きのすぐ後に行われるため多孔質のレンガのような状態のところに絵付けするので顔料がすぐ浸み込む為、高い技量が求められます。
その下絵付の代表作にブルーオニオンがあります。
ブルーオニオンの名前の由来は中国磁器のザクロが描かれていた食器を模写したことが始まりで、見慣れないザクロが馴染み深いタマネギ模様にとらえたといわれています。
また、ブルーオニオンには中国伝来のおめでたい象徴の桃や竹がバランスよく描かれています。