今回、いわの美術がお買取りしたお品物はヘレンドのトラのフィギュアです。
ヘレンドと言えば中国趣味画(シノワズリ)の細密な絵付けが特徴の洋食器ブランドですが、今回お買取りしたフィギュアのようにシンプルな作品も手掛けています。
ヘレンドは1826年に開窯した洋食器メーカーで、その歴史は比較的新しく、オーストリアにあったウィーン窯が閉鎖した事によってそこで働いていた職人たちがハンガリーに移り住み、陶磁器作りを始めたのがヘレンドの始まりです。
その後、オーストリア宮廷のテーブルウェアとして使われるようになり、大きく発展していき、現在では国営となっております。
ヘレンドには約600人のペインターの中から厳正な審査を受けて合格した、作品にフルネームを記す事ができるペインターが存在し、そのペインターの事をマスターペインターと呼んでいます。
マスターペインターが必要とする技術は、写実画・細密画(ミニアチュール)、中国趣味画(シノワズリ)の3つが出来る事です。
今回、お買取りしたヘレンドのフィギュアはマスターペンターの署名はございませんでしたが、白く美しい磁器の肌がトラの力強さと筋肉美を引き立てており、魅力的なお品物で細部にまでこだわるヘレンドらしさが出ているお品物でした。
最近のヘレンドのフィギュアはどこかユニークな作品が多く、今回お買取りしたフィギュアは現在では珍しいタイプとなっております。