今回、いわの美術がお買取りしたお品物はフランス国立セーブル製陶所、通称セーブルのカップ&ソーサーです。
セーブルの作品としては珍しい、絵画のような絵付けが特徴のカップ&ソーサーで、ティーポットとクリーマーもご一緒にお譲り頂きました。
セーブルは1759年にフランス王室専用で使用するために作られた王立の製陶所で、商業目的として製作されていないため、年間に約6000ピースほどしか製作されず、フランス国賓の贈答品として製作される事が多く、一般の人が手にする事ができるのはオークションやアンティーク、骨董品などを取り扱うお店からしか入手する事が出来ない貴重な陶磁器として知られています。
また、セーブルの絵付けは職人が1つ1つ手作業で行うため、同じ絵付けパターンであっても微妙な違いが見られ、1つとして同じ物はありません。
今回、お買取りしたセーブルのカップ&ソーサーはバックスタンプやバックスタンプは同じなのにカップの大きさが微妙に違う事から1753~1793年頃に製作されたものという事が分かりました。
18世紀のセーブル製品はなかなかお目にかかれる物ではないため、変色している部分はございましたが、10客という事とティーポットやクリーマーもご一緒にお譲り頂けるという事でしたので、買取額を通常よりもアップして買取らせて頂きました。
ちなみにセーブルのバックスタンプは年代ごとにデザインが違っており、そこを読み解く事で、いつの時代に作られた物なのかが分かります。
セーブルの買取では傷や汚れが少なく、セーブルの特徴とも言える24Kの金彩の剥がれが無ければ高価買取が期待できます。