今回、いわの美術がお買取したお品物は、ロイヤルコペンハーゲンのフローラダニカのカップ&ソーサーです。
ロイヤルコペンハーゲンはデンマークの陶磁器メーカーで、正式名称をロイヤルコペンハーゲン陶磁器工房と言います。
絵付けは全て手描きで行われ、作品の全てにはロイヤルコペンハーゲンのマークと絵付けを担当した作家のサインなどが記入されています。
ロイヤルコペンハーゲンは日本の古伊万里の染付の影響を強く受けており、コバルトブルーの絵付けが特徴です。
しかし、今回お買取りしたフローラダニカというシリーズは、コバルトブルーの絵付けは見られず、可憐な草花が描かれています。 これは、ロシアの女帝エカテリーナ2世への贈り物としてデンマーク国王クリスチャン7世がロイヤルコペンハーゲンに制作依頼をしたディナーセットです。
フローラダニカとは、デンマークに自生する草花を描きだした植物図鑑の事で、フローラダニカに描かれている草花全てを陶磁器として表現しようとした事が国力を示すための国家事業としてスタートしたとも言われています。
しかし、12年という長い歳月をかけて制作が行われていましたが、エカテリーナ2世が亡くなり、その事業も中断され、全部で1802点が制作されており、当時制作されたオリジナルのフローラダニカはローゼンボーグ城に保存され、今でもデンマーク王室での公式晩餐会で使われています。
ちなみにオリジナルのフローラダニカはゲオログ・クリスチャン・バイエルが一人で絵付けを行っていたそうです。