今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、オールドノリタケのフラワーベースです。
オールドノリタケは、一般的に英語圏では「EARLY NORITAKE」と表記され、その年代をはっきりと限定することはできませんが、1800年代末頃から第二次世界大戦前後の間に、主にアメリカに輸出された花瓶や壷、陶製人形などの装飾品、テーブルウェアなどの総称で、ノリタケカンパニーの前身である森村組と日本陶器で作られたものです。
オールドノリタケは大きくは2つに分類されます。
ひとつは、1885~1953年あたりにアメリカ向に輸出された日本的な商品を含むアールヌーボーを中心とした西洋画風のグループと、もうひとつは、大正末期頃~昭和初期頃に流行したアールデコ調のグループとに分けられます。
このオールドノリタケの製品は、工業的に優れた技術力と伝統的な感性が融合した芸術作品として高い評価を受けました。現在では、骨董蒐集家からオールドノリタケと呼ばれ、人気の高いコレクターズ・アイテムとなっています。
今回買取させていただきましたオールドノリタケのフラワーベースは、風景画が描かれた花瓶で、絵付け職人のサイン入りのお品物です。
当時は、ノリタケの技芸科には日本画・洋画・彫刻の3部門で構成されていたといわれ、オールドノリタケの中に見られるサイン入りの製品は、そのほとんどが洋画部門で特に優れた絵付け者の作であると考えられています。
今回買取のオールドノリタケのフラワーベースのサインは、「M.Easily」と書かれ、このサインは「井尻盛男」のものと思われます。
井尻盛男のサインは、他に「M.Ijiri」と書かれている場合もあるそうです。
古い時代を経て現代に受継がれてきたオールドノリタケですが、今回買取のお品物は状態もよく、高い評価にて買取査定をさせていただきました。