今回いわの美術がお買取りしたお品物は、サン・ルイの金彩が施されたゴブレット6客です。
サン・ルイは、1586年に設立されたフランスのガラス器メーカーで、世界で最も権威のあるクリスタル工房のひとつとして知られています。
18世紀に、ルイ15世から聖王ルイ9世にちなんだ“Saint-Louis”の名称を受け「サン・ルイ王立ガラス工房」となり、その後も王室御用達のガラス工場としてクリスタルの開発を手掛け、クリスタルカッティングの分野に尽力しました。
鉛を配合した透明度と強度の高いガラスやサン・ルイクリスタルの開発に成功し、現代のような美しいクリスタルガラスを完成させたのがサン・ルイといわれています。
現在はエルメスの傘下となっているサン・ルイの製品は、王朝風の繊細で優美な装飾が特徴となっています。
今回買取させていただきましたサン・ルイのグラスは、口の部分とプレートに金彩が施されたサン・ルイの1900年頃から作り続けられている代表的モデルThistleのゴブレットです。
Thistleというモデルの名の意味はアザミで、アザミのアレンジした文様です。
金彩という装飾は、主に18世紀から19世紀後期の王侯貴族の注文品であったオブジェに見られますが、サン・ルイのThistleの金彩は厚みがあり、100年を超えても、なおその色と繊細な絵をとどめるとされています。
サン・ルイの金彩は、以前はゴールドのみの装飾でしたが、現在ではプラチナ装飾も加わっているそうです。
ジュエリーのように輝きを放つのもThistleの魅力で、少しでも光が差せば、グラスの中で光が反射し、クリスタルの輝きがさらに増すとされ、サン・ルイの中でも不動の人気のシリーズとなっています。
サン・ルイ のコレクションはグラスのみでなく、多岐に渡り、花瓶・デキャンタ・燭台・シャンデリアなどを展開しています。
特に1850年ごろ、サン・ルイが発表したペーパーウェイトは、文人や芸術家、王室の人々を魅了し、フランスやイギリスで一大ブームを巻き起こしました。フランスが誇るクリスタル工房サン・ルイは世界中で人気があり、買取査定の際は高価買取の期待できるお品物です。