こちらのお写真のお品物は、以前お買取させていただきましたセーブル(セーヴル) のプレート4枚です。
セーブルは、マイセンと並び称され、フランス ルイ王朝の遺構であるヴェルサイユ宮殿をさらに華麗に彩ったフランスの国立窯として知られます。
もともとは、1738年に創設された民間のヴァンセンヌ窯で、のちにこの窯がセーブルに移転し、1759年に王位窯となりました。
その仕掛人は、かの有名なルイ15世の公妾、ポンパドール夫人です。芸術家たちのパトロンであったポンパドール夫人は、宮殿画家のウードリやプーシェらに精力的に器の下絵を描かせ、宮廷文化の華を咲かせました。
フランス革命後は王位から国立セーブル製陶所となり、現在に至るまで国窯として、フランス宮廷文化の美を伝えてきました。
セーブルの作品には、代表的なコバルトブルーのクラウデッドブルーのほか、ターコイズブルーに藍色を混ぜたような深みのある色合いのアガサブルー、王者の青と呼ばれる色のファットブルーなどがあり、ブルーの陶磁器が目立ちますが、他にはポンパドール夫人が愛したというローズ・ポンパドールというピンクなども有名です。
セーブルの作品はすべて職人によるハンドメイドのため、個々の装飾の細部は微妙に異なり、全く同じものは存在しません。
今回お買取したセーブルのプレートは、縁取りに使われるフリーズとよばれる金彩も美しく、みこみ部分にも金彩が施された稀少な美品で、専用のセーブルのお箱とともに高価買取させていただきました。
豊かな彩色を駆使したロココ様式の絵画表現による装飾が最大の特徴である気品あふれるセーブル。
セーブルは国窯という背景から、生産量は限定されており、日常的に人々の目にふれることは少なく幻の陶器とさえもいわれています。
いわの美術では、稀少なセーブルを高価買取にて対応しておりますので、手放してもよいというセーブルのお品物がございましたら、是非いわの美術までご連絡ください。