今回、いわの美術がお買取したお品物は望月一雄の油彩画です。
望月一雄は日仏現代美術展、現代洋画精鋭選抜展で受賞を重ね、昭和会展、油絵大賞展など多くの作品展に出品をしている洋画家で、個展も積極的に開催しています。
その一方で、旺玄会会員として活躍し、現在、旺玄会理事をつとめています。
旺玄会は作家の自由な創作を尊重し、清潔・透明で開かれた運営を通じて、日本の美術界の健全な発展に貢献する事を目的に組織された美術団体で、牧野虎雄、高間惣七、熊岡美彦が設立した槐樹社(かいじゅしゃ)がその前身にあたります。
望月一雄は東京都武蔵野市で生まれ、五十嵐祥晃に師事しており、五十嵐祥晃も旺玄会で活躍した洋画家です。
写実的な作風で、風景画、人物画などを描いており、特に「落書き」シリーズは後ろ姿の少女が塀に向かって絵を描くシーンを描いたもので、少女一人の時もあれば、弟や姉が登場する時もあり、一人の少女の成長を描いたようなシリーズ作品として展開しています。
今回、お買取した作品も「落書き」シリーズの一つで、一心不乱に少女が塀に向かって絵を描いている姿が描かれています。
額には多数の傷がありましたが、作品自体の傷はなく、色褪せや汚れも見られなかった事から、市場価格も踏まえて上で買取額を提示させて頂きました。
油彩画は保管場所が悪いと絵具のひび割れや退色、また埃をかぶると色がくすんでしまい、クリーニングが必要となるため、査定時にマイナス評価となってしまいます。
保管する際は剥き出しのままにはせず、箱に入れるか額に入れたまま光などが当たらないようにしておく事でマイナス評価を防ぐ事ができます。