今回、いわの美術がお買取したお品物は、十二代藤林徳扇の作品で苑寿織額「煌龍」です。
藤林徳扇という名は1680年に初代が名乗ってから続く、宮家や宮内庁御用達の錦の御旗の織匠の名で、今日まで代々継承され続けています。
その中でも藤林徳扇の名を世界的にも広めたのが十二代藤林徳扇で、藤林徳扇という名と共に継承されてきた王朝趣味に代表される優美さや高尚さを兼ね備えた帯や着物はもちろん、「徳扇コスモ・アート」と呼ばれる宝石をパウダー状にした素材を使用した独自の芸術作品を生み出し、半永久的に輝きと美しさを保つとして高く評価されています。
この作品によって芸術界のノーベル賞と表現されるユネスコ・パリ本部認定のグリーティングアーティストに日本人として初めて認定され、「徳扇コスモ・アート」は世界中の国公立美術館に収蔵されています。
さて、今回お買取した十二代藤林徳扇の作品も「徳扇コスモ・アート」の一つで、荘厳な龍の姿が力強く描かれており、「煌龍」というタイトル通り、画面は光を反射して神々しい龍を演出しているかのように見えます。
目立った大きな傷はなく、額の裏に作品タイトルと十二代藤林徳扇の名前と落款が見られる事から高い評価を付ける事ができ、高価買取で対応致しました。
十二代藤林徳扇の「徳扇コスモ・アート」は使われる素材や作品の大きさによって買取額が変わってくる事が特徴で、日本国内よりも海外での人気が高く、海外のオークションでは1000万円を超える値が付けられた作品も存在します。