和傘を持ち、凛とした表情で佇む女性ですが、実は、この作品は愛人との別れの日が来て、
船出を哀しみながら見送るという哀愁漂うテーマの基に、沖縄古典舞踊琉舞家の佐藤太圭子
さんがモデルになっています。
今回、関野準一郎の木版画が何点かあるとのお問合せを頂いたため、まとめてのお買取りを
させていただきました。
関野準一郎は、1914年(大正3年)青森県生まれの作家です。
昭和11年、帝国美術院展覧会(帝展)に入選し、昭和14年、25歳の時に上京して恩地孝四郎に
師事、版画家の棟方志功の教えも受けます。
彫りや摺りなど独自の工夫を凝らした表現や創作方法で、木版、エッチング、リトグラフなど
の技法を駆使し、独特な細部を描写した作品群を次々と発表しつづけ、風景画や人物画など多
様な主題で60年近くにわたり制作、国内だけでなく国際的にも高い評価を受けました。
国内での受賞歴は、画集『東海道五十三次』が
1975年(昭和50年)芸術選奨文部大臣賞
1981年(昭和56年)紫綬褒章
1987年(昭和62年)勲四等旭日小綬章を受賞しています(他受賞多数)
主な著作に『版画を築いた人々』『日本の街道』『人間を彫る』『関野準一郎版画作品集』
などがあります。
『版画を築いた人々』出版時に、こんなコメントを残しています。
【私のデビュー作は銅版画で、その他にも石版・合羽版・木口木版など、いろいろと手掛けて
きたが、いつのまにか木版作家としてみられるようになったのは、些か残念である。
外国では日本の木版画を喜ぶがゆえ、いきおい木版画の制作量が多くなってしまったためか
もしれない。しかし仕事が壁に突き当たったときは、思い切って別の版種に1年間ぐらい没頭
することもある。平面的で抑揚の出しにくい木版画を時々不自由だと思うこともある】
自らの作品をとおして、さまざまな技法に精通し創作をしてきたからこそ遺せるコメントで
あり、長い歴史のなかで日本人にとっては最も親しみ深い芸術表現のひとつといえる版画の
魅力を多様に伝えたかったのかもしれません。
◇いわの美術では関野準一郎の作品をお買取りしております◇
いわの美術では美術品・骨董品を中心にお買取りを行っており、関野準一郎の版画作品も対象と
しております。
ご自宅やご実家のお片付け、蔵や倉庫の整理等で、ご売却をお考えの関野準一郎の作品がござい
ましたら、是非いわの美術までお問い合わせくださいませ。
版画作品のお買取りでは、作品の状態(シミやヤケの有無)や、画廊など販売元の保証書・額装の
有無に加え、作品のタイトル・刷られた時期などにより価格が変動いたします。
お問い合わせは、お電話・メール・LINEにて随時受付しております。
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可能となります。ぜひご利用くださいませ!