お写真のお品物は、三重県出身の洋画家・中谷泰の作品で、大阪府でお買取りをさせていただきました。
中谷泰は本名を中谷泰一といい、炭坑や陶土の採掘場を描いた一連の風景画で有名な作家です。
炭鉱の風景を描くようになったのは福島県の常盤地方を訪れた時の風景に感動したことがきっかけでした。
炭坑町のたたずまいやボタ山の光景に強く感動を覚え、その感動は絵画制作における遠近感や空間の解釈を変え、作風に大きな影響を与えました。
こうして、社会的・思想的な内容を持った一連の人物画から、より造形的に堅固に構成された風景画へと作風を変え、油彩画「石工」は生まれました。
また、坪田譲治の名作児童文学「善太と三平」やNHKのラジオ小説「光を掲げた人々」などの挿絵を手掛けたり、いわさきちひろに油絵を指導したことでも有名な作家です。