今回、いわの美術がお買取りしたお品物は西山真一の油彩画「残雪の頃」です。
大阪府にお住まいの西山真一のコレクターの方より譲り受けました。
西山真一は福井県出身の洋画家で、師範学校を卒業してからは小学校の教諭を務めながら作品制作を行っておりました。
その後、画業に専念するために教諭を辞め、パリに留学をして本格的に絵の勉強を始めます。
このパリの留学をきっかけにこれまで人物画を描いていた西山真一ですが、日本とは違うヨーロッパの街並みや自然などに感化され、風景画を制作するようになりました。
西山真一は大胆なタッチが特徴で、生涯を通してこの作風が大きく変化する事はなく、ドンッドンッと筆をキャンバスに叩きつけるように描いているそうですが、その筆運びは思った以上に速かったそうです。
光風会展と共に日展に出品を重ね、中央画壇で活躍した西山真一は、東京国立近代美術館や福井県立美術館に作品が収蔵されており、息子・西山松生も洋画家として活躍しており、息子の作品とともに展覧会が開催されています。
お買取りした油彩画は「残雪の残る頃」というタイトルの通り、画面点前側では春を感じる事のできる色彩で描かれおり、画面奥の山々には、まだ寒さを感じられるような冷たさを感じる色彩で描かれていました。
画廊で購入したもので、額の裏には作者名、作品タイトルなどの詳細が書かれた共シールが貼り付けてありました。
この共シールは真作である事も証明する1つの手段になりますので、買取額が高くなります。