今回、いわの美術がお買取りした作品は樋口洋(ひぐちひろし)の油彩画「雪の天使園」です。
樋口洋は神奈川県出身の洋画家で、楢原健三に師事し、日展と個展を中心に雪景色の風景画やバラなどを描いた静物画で知られています。
お買取りした油彩画は北海道函館にあるトラピスチヌ修道院で、観光名所としても有名です。
白い尖塔と緑色の屋根、赤レンガ造りの建物が特徴で、日本最初の観想女子修道院で1898年にフランスから派遣された8名の修道女によって創立されました。
樋口洋は、北海道の特に函館の雪景色を多く描いており、トラピスチヌ修道院を題材にした作品は「雪の天使園」の他にもいくつかございます。
いずれも北海道の澄んだ空気と厳しい寒さが伝わる素敵な作品で、細部にまでこだわり描かれている写実画を得意としています。
今回はこちらの油彩画と、樋口洋の出身地でもある横浜の雪景色を描いた「横浜雪の日」という油彩画もご一緒に買取を行いました。
どちらも画廊で購入されたものだったようで、額の裏には画廊の共シールが貼られており、キャンバスの裏には作家のものであろう作品のタイトルと名前が記載されていました。
共シールや共箱のある油彩画は買取を行う際、プラスの評価となっております。
保存状態も良く、油絵具の剥がれやヒビのない高い評価での買取となりました。