今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、樋口洋の油彩画「北の教会」です。
樋口洋は、日本洋画界の重鎮とも呼ばれ、日展評議員・示現会常務理事も務める日本を代表する洋画家です。
樋口洋は、叙情あふれる孤独な雪風景の描写で高い評価と人気を得ています。トップクラスの洋画家として雪国を描き続け、画壇での地位を確立しました。また、樋口洋は雪景色の風景画だけでなく、法隆寺を描いた「いかるがの里」や5月の北海道「花と教会 函館」など、雪のない季節の風景画も多数描いています。樋口洋は富士山も何枚か描いており、新春の富士と日本の美を表現した「黎明富士」などは圧巻です。
樋口洋といえば雪景色の風景画が有名ですが、特に雪の北海道 函館を描いた作品が多くみられます。函館元町を描いた「白い函館」やトラピスチヌ修道院を描いた「修道院への道」などが有名です。
今回買取させていただきました樋口洋の「北の教会」は、静寂の中に凛とした造形美の教会が描かれ、冬の澄んだ厳しい寒さが伝わってくる作品です。
こちらの樋口洋の「北の教会」は、前面板はガラス板で額装が施された作品でした。実際に飾られていたということで、裏面に若干剥がれがみられましたが、他の樋口洋の作品とあわせてのご売却でしたので高価買取させていただきました。
下の写真のように、今回買取の樋口洋の作品には「H.Higuchi」というサインがあり、キャンバスの裏には作家のものであろう作品のタイトルと名前が記載され、額の裏には画廊の共シールが貼られておりました。