こちらは以前お買取りさせて頂きました鶴岡義雄の油彩画です。
鶴岡義雄は茨城県の生まれで中学の頃より絵に興味を持ち、本格的に油彩画を学ぶために上京すると日本美術学校へ入学し、林武に師事しました。
1941年に仁科展で初入賞を果たすと後に仁科展二等賞を受賞、1950年には仁科会員となっています。そしてその後仁科展作家として活躍を続け、仁科会名誉理事も務め上げました。
彼の作品でよく知られているのは滞欧生活を機に、パリジェンヌに取材し描いたとされるマドモアゼルシリーズ、純日本式の様式美を描いた舞妓シリーズなどでしょうか。
女性画、美人画で特に有名な画家ですが、マドモアゼルシリーズや舞妓シリーズを描く以前の作品では『ナイター(A)』『ナイター(B)』のような大作、『羽田夜景』のような都会の夜景を描いた夜景シリーズも残しています。
1960年代前半より渡欧する機会が増えた鶴岡義雄はフランスやイタリア、オランダ、スイスといったヨーロッパ各地を訪れ、スケッチ取材をしました。
その後、パリにアトリエを構え、都会の洗練された女性像を追求し、描かれたのがマドモアゼルシリーズで、今回お買取りした作品もその一つです。
重厚なマチエール、魅惑的でモダンな画風を真骨頂とし、多くのファンを魅了した彼の作品は今なお根強い人気を誇ります。