兵庫県の中央部に位置する朝来市生野町は、昔から長い歴史と伝統を有する生野銀山の鉱山町が栄えたところとして知られます。その生野町出身の明治末期に活躍した近代洋画家 青山熊治、白滝幾之助、和田三造は「生野三巨匠」とよばれます。
今回買取致しました油彩画は「生野三巨匠」の一人、青山熊治の「着物婦人像」という作品です。
お買取致しました青山熊治の「着物婦人像」は、青山熊治没後40年記念展(兵庫県立近代美術館)に出品された作品でもあるそうです。
青山熊治は、17歳のとき洋画家 高木背水に師事、東京美術学校在学中には東京勧業博覧会で「老坑夫」が2等賞、白馬会展で「アイヌ」が白馬賞、文展では「金仏」が2等賞など、その才能は早くから評価されていました。
将来有望な青年作家としての地位を確かなものにしはじめていた青山熊治ですが、中国 大連からシベリヤを経てヨーロッパへと、放浪の旅にでます。
この放浪の旅は20年余り続きますがこれが、青山熊治の転機となります。セザンヌやルノワール、シャバンヌらを学び、苦労の末に独自の画技を培います。帰国後もすぐには展覧会に作品を発表せず、満を持して大作「高原」を発表し、特選と帝国美術院賞を受賞します。日本の洋画壇へ復帰を果たし、活躍するも、46歳の時に急病を患いその生涯を終えます。
青山熊治は、西洋絵画への深い理解に基づいた独特の色彩、大胆な構図、さらには精神の陰影までも映し出すような独自の画風を確立しました。
青山熊治は残した偉大なる作品の割には、「生野三巨匠」の和田三造が美術史に確固たる足跡を刻むのとは対照的に、知名度は低いともいわれています。
代表作が地方に散逸するなどの要因もありますが、もっと再評価されるべき画家として、青山熊治は識者のコアなファンが多いといわれ、いわの美術でも油彩画などの青山熊治の作品買取を積極的に行っています。高価買取も期待できる青山熊治の肉筆画などの作品をお持ちでしたら、是非いわの美術までご連絡ください。