こちらの作品は、以前お買取致しましたベルナール・カトランの静物画「ビクトリア調の花瓶の静物」のリトグラフです。
フランス人画家のベルナール・カトランは、静物、風景、女性像などを鮮やかに優雅な筆遣いで描く画家ですが、主としてバラやポピーなどの花を中心とした静物画を得意としています。
今回お買取させていただきましたベルナール・カトランの静物画は、目にも鮮やかな黄色と黒のコントラストがインパクトのある作品で、白い花瓶の黄色の花はマリーゴールドでしょうか、バスケットの中のレモンの黄と、背景の黄色と微妙に色使いを変化させ、それぞれの存在感を感じさせます。
また、黒という色をセンターのビクトリア調の花瓶に用い、カトラン独自のコントラストを用いた作品です。ベルナール・カトランのモチーフの構図は複雑ではないが、決して真似のできない上品な雰囲気を出しています。
今回お買取したベルナール・カトランのリトグラフ作品余白には、「Epreuve d`artiste」という鉛筆書きの文字がみられます。これは、フランス語のエプルーブアルティスト、保存版を意味し、通常EAと略されますが、版画の作家保存分という意味です。
EAの表記がある場合には、リトグラフなどにみられるエディションナンバーなどの一連番号が記入されない場合も多く、今回買取のリトグラフにもこのEAの表記と、作者のサインのみでした。 EAのあるリトグラフなどの作品は、もともとは、作家が自身の作品の資料として保存したり、他の親しいアーティストや美術館などに贈るための作品ですが、作品のクォリティに差はないため、エディションナンバー入りの作品と同じ評価で流通しているとされています。
いわの美術では、ベルナール・カトランの作品の買取に力をいれております。
パリ生まれたベルナール・カトランはヴェニスなど世界各国を旅し、行く先々で見るもの全てに興味を示し、様々な風景、人物、静物を独自の表現により描きました。大の日本ファンでも知られるルナール・カトランは喜多川歌麿や安藤広重を学ぶにとどまらず、「俳句を具体化して表現」という前代未聞の俳句絵画の制作も行いました。
ルナール・カトランの特徴でもある厚く色を塗られた画は、重さを全く感じさせず、むしろ洗練された空間を生み出しており、その作風は色彩の明暗による詩的、象徴的表現を得意としています。 ベルナール・カトランがこの世を去ったのは2004年ですが、現在もなおカトランの作品は世界中の多くの人々の心を惹き付けて止みません。 ベルナール・カトランの作品をご売却してみませんか?ベルナール・カトランの作品買取なら、美術品買取実績豊富ないわの美術にお任せください。