【池田遙邨 山水図】絵画の買取実績一覧

こちらのお写真は、以前お買取させていただきました日本画家 池田遙邨(池田遥村)の肉筆の山水図です。
岡山生まれの池田遙邨は、はじめ洋画を学び、19歳で文展に入選するなどその才能を発揮します。その後23歳の頃日本画家への転身を志し、京都画壇を代表する竹内栖鳳の門下へと入り、さらに日本画の巨匠 冨田渓仙にも影響を受け、鳥瞰図法による明るい色彩の風景画で独自の画境を開きます。
また、西洋絵画、特にムンクなどの影響を受けた時代を経て、大和絵を新たに解釈し直した作品で文展の特選を受賞するなどし、日本画壇での地位を確立していきます。
戦後には装飾的でユーモアに富んだ独自の画風となり、大胆な構図と明るい色彩という新境地を開きます。そして、衰えをしらない創作意欲をもつ池田遙邨は、89歳にして山頭火の俳句を題材とした「山頭火シリーズ」を描き始め、これは遙邨が到達した独自の画境を示す代表的連作となりました。 池田遙邨は、日本芸術院賞、文化勲章、勲三等瑞宝章などの受賞経歴も有しています。

旅好きであったことでも知られる池田遙邨は、独特のユーモアと暖かさの溢れる作風で、四季折々の自然を描きました。
今回お買取の池田遙邨の山水図も、見る人をほっとさせるような身近で親しみやすい描写の作品です。
池田遙邨は、瀬戸内海で生まれましたが、生まれ育った瀬戸の海を思わせる、温暖で、のどかな風景が描かれています。 まるで穏やかな潮騒がかすかに聞こえてくるような描写で、海をみて愛して描き続けた池田遙邨ならではの表現力のある作品ではないでしょうか。
作品には池田遙邨のサインと落款もみられ、経過年によるシミなどが若干みられましたが、高価買取の対応にてお譲りいただきました。

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