今回いわの美術がお買取した作品は、日本画家 三輪晁勢の肉筆画の「富士」です。
三輪晁勢は、京都を拠点に昭和時代に活躍した日本画界の重鎮で、堂本印象の一番弟子としても知られます。
三輪晁勢は、鋭い観察力と独自の色彩感覚によって花鳥や風景、人物などを描き、日本画壇に大きな足跡を残しました。
三輪晁勢は、当初、新進気鋭の作家として注目を集めていましたが、堂本印象のモダニズムの影響を受け、ある時期には、何を描いても師であった堂本印象の作風に似ているといわれたこともありました。
戦後、三輪晁勢の画風は一変し、堂本印象の影響を受けながらも、鮮やかな色彩で独創的な表現を試み、描く対象の持つ特徴を強調するかのような描写になっていくなど、その画風も初期から晩年まで、変遷と多才多様な画風の展開を重ね、晩年には円熟した画境を示しました。
今回買取した三輪晁勢の風景画は、雲の上に、雪をいただいた.富士山が、青と白やグレーなどの濃淡によって、繊細にかつ力強く独特な筆致で表現されています。
重厚な絵の具使いで、富士山の稜線がのびのびと表され、手前に他の山を描くことによって、富士山の威厳のある姿が立体感をもって表現された壮大で品格ある富嶽図です。
買取査定では、絵具のひび割れなどもなく、綺麗な状態で保管されていたため、高価買取で対応させて頂きました。 また、作品裏面に落款付共シールが貼付されていた点もプラス評価につながりました。
三輪晁勢は代表作をはじめ、水彩画、新聞や小説挿絵、舞台衣装のデザインなど多彩な創作活動をしており、いわの美術でも、三輪晁勢の水彩画や掛軸、絵皿などの買取を行っています。共シールや鑑定書などが付属していれば、買取評価にプラスに働き、さらに高価買取にも期待ができます。
いわの美術では、美術品の知識と買取経験豊富なスタッフが、作品の価値を見極めてしっかりと買取評価・査定をさせていただいておりますので、三輪晁勢の作品のご売却をご検討中でしたら、是非いわの美術にご相談ください。