こちらのお写真のお品物は、以前いわの美術が出張買取にてお買取した絹谷幸二のアフレスコ画『さつきの女』です。
作品のコンディションは非常によく、絹谷幸二の肉筆の作品という事で高価買取となりました。
絹谷幸二はアフレスコ画の日本における第一人者として知られており、アフレスコ画とは、壁に直接絵を描く技法の一つで、生乾きの壁に顔料を水で溶いて絵を描き、壁の乾燥によって定着させるフレスコ画の事です。
絹谷幸二はこのフレスコ画の事を頭に「ア」を付けて「アフレスコ画」と呼んでおり、キャンバスの裏のサインと共に「afresco」と表記するほどこだわりを持っています。
絹谷幸二は小学校に入学した頃から油彩画を学んでおり、東京藝術大学では油彩画を学び、大学院ではできたばかりの壁画科へ進み、西洋の壁画を熟知する島村三七雄に学びました。
その後、アフレスコ画の集中講義のためにイタリアから来日したブルーノ・サエッティと出会い、本場イタリアでアフレスコ画を学ぶと絹谷幸二の作風は鮮烈で激しい色彩と独創性溢れるインスピレーションによって生み出される作品へと進化を遂げました。
絹谷幸二が描き出すテーマは「命ある喜び」としており、富士山、北京風景、仏画、そして今回お買取りした作品のような女性像など幅広いモチーフを手掛けています。
また、絹谷幸二は1998年に長野で開催された冬季オリンピックの公式ポスターを手掛け、競技別の7種類ポスターや、国内外に陶板画などのパブリックアートも手掛けています。