今回いわの美術では、能姿の木彫り作品を得意とする牧俊高の木彫蚊相撲をお買取り致しました。
牧俊高は1879年に東京で生まれ、木彫作家として活躍されるようになります。
木彫作家として数多くの作品を製作しながら技術に磨きをかけて、帝展や文展などに出品し賞の受賞を重ねます。
これまでの功績が認められた牧俊高は、1936年文展への無鑑査での出品が可能となりました。
また、1938年に開催された第二回新文展に出品した羽衣・能楽という作品は商工省買い上げとなり、翌年にはニューヨーク万国博覧会の出品作品に選抜されるなど日本のみならず海外からも非常に人気の高い作家へと成長します。
その後も活躍が期待されましたが62歳という若さでこの世を去りました。
蚊相撲は狂言の演目の1つで登場人物は大名・大名のお世話をする従者・蚊の精の3人です。
蚊相撲は大名の思いつきから物語が始まります。
大名から近年相撲が流行っているので相撲取りを数百人程家来にしたいから探してこいと従者に指示しますが、従者一人で大人数は見れないと大名を納得させた後、相撲取りを1人見つけ大名の元に連れてきました。
ですが、その相撲取りは人間の血を吸う為に化けた蚊の精で、それがわかった大名は扇を仰いで蚊の精を追い払ったというお話になります。
この演目で蚊の精を演じる人は、嘘吹と呼ばれる口をとがらせ「ひょっとこ」に似た能面に蚊の口のような棒をつけて演じるのです。
今回お買取りさせて頂いた牧俊高の蚊相撲という作品も、ひょっとこのような能面の口に棒が刺さっているのが分かります。
この口元が、今にも血を吸おうとしている蚊のように見えますよね。
こちらのお品物は、宅配買取でお買取り致しました。
少し足元に汚れが見られましたが、箱付でカケなどもなかった事から良い評価でお買取りさせて頂きました。
弊社いわの美術では、牧俊高の作品をお買取りしております。
押し入れや蔵に仕舞われている物や、飾られている物、コレクションされていた牧俊高の作品がございましたら、是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
買取可能な木彫作家
松本明慶・高村光雲・宮本理三郎・平野富山・柴崎重行・平櫛田中・大森暁生
茂木弘次・籔内佐斗司・瀧口政満・松久朋琳・砂澤ビッキ・神保雅・藤戸竹喜などなど
その他:井波彫刻・楠木彫などなど