【萩焼10代三輪休雪 熊川茶碗】茶道具・煎茶道具の買取実績一覧

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萩焼10代三輪休雪 熊川茶碗

萩焼10代三輪休雪 熊川茶碗

お品もの詳細

先日いわの美術でお買取いたしました、萩焼10代三輪休雪の熊川茶碗をご紹介いたします。

枇杷色のざらめきが感じられる胎に滑らかな白釉が映える逸品で、胴から腰への微かな釉垂れ、見込みの景色も素晴らしいお品物でした。

熊川茶碗(こもがいちゃわん)は萩焼の起源と関わる朝鮮の焼き物に由来し、井戸茶碗と異なり丸みを帯びた竹節高台が特徴の深みのある茶碗です。

 

萩焼

萩焼は現在の山口県で作られる、江戸時代発祥の歴史をもつ焼き物です。

1604年、広島から萩に移封された萩潘初代藩主・毛利輝元の命によって、朝鮮人陶工の兄弟が築窯したことに始まります。

萩藩主の御用窯として城下町の松本と深川村でおこり、江戸時代までは「松本焼」「深川焼」の呼称で親しまれ、明治以降に二つをあわせ旧萩潘の焼き物として萩焼の名称に変わりました。

兄の李勺光は山村家、弟の李敬は坂家となり、当初は侘び茶の茶碗として高い人気を誇った高麗茶碗碗写しの焼き物を朝鮮式登窯で焼いていました。

その後山村家は途絶え文献を残すのみとなりましたが、松本焼には坂・三輪・林の三窯、深川焼には坂倉・倉崎・赤川の三窯が各家によって伝えられています。

三輪休雪の三輪家も代々陶芸家として受け継がれ現在まで続く家の一つです。

 

三輪休雪

三輪休雪は松本焼三窯のひとつ、三輪家の陶芸家名で、代々襲名されてきました。

江戸前期の寛永年間に興り、現在13代が当主となっており、当主に代を譲ると先代は隠居となり別名を名乗ります。

 初代 三輪休雪

第8代 三輪雪山

第9代 三輪雪堂

第10代 三輪休和

第11代 三輪壽雪

第12代 三輪龍氣生

 

萩焼と三輪休雪の歩み

初代三輪休雪は1663年頃、御雇細工人となり、萩焼の生産力と質の向上に尽力した一人でした。

その後築窯して独立し、高麗茶碗写しにはじまり織部好みや楽焼まで取り入れ、独自の意匠を得意としてきました。

享保年間に周防国で発見された純白のきめ細かな陶土・大道土によって、高級な茶陶生産が盛んとなり、この前後で区別し大道土以前のものを古萩とよんでいます。

江戸時代を通じて藩に手厚く保護されていた萩焼は、明治維新後に苦境を迎えることとなります。

後ろ盾の消失に加え社会の変容で多くが廃窯となりますが、明治末期に日本伝統文化を再評価する機運が高まり、茶の湯ブームが訪れました。

大正時代には深川焼の12代坂倉新兵衛が表千家に入門、家元の伝来品の写を作成し、萩焼と茶の湯を結びつけ、「一楽、二萩、三唐津」のコピーもこの頃誕生しました。

第二次大戦の前後から個人作家による作陶活動が活況を迎え、萩焼は日本を代表する陶芸文化の一つとなりました。

1956年に萩焼は山口県指定の要無形文化財となり、12代坂倉新兵衛が第一号の保持者となり、三輪休雪は1970年に10代の三輪休和が、1983年に11代の三輪壽雪が人間国宝となりました。

 

10代三輪休雪

10代三輪休雪は1895年に9代三輪休雪の次男として山口県萩市に生まれ、1910年に旧制中学校を中退して作陶一筋に生き、優れた作陶家であるとともに低迷した萩焼を現代の隆盛へ導いた功労者です。

父である三輪雪堂(9代三輪休雪)と祖父の三輪雪山(8代三輪休雪)から薫陶を受け、1927年に父・雪堂が隠居し10代三輪休雪を襲名しました。

古き良き萩焼の伝統を会得しながら、はじめは萩の源流である高麗茶碗や桃山茶碗を研究し、高麗茶碗の和風の要素を融合させた、独自の温雅な様式を確立していきます。

1942年には交流のあった川喜田半泥子、金重陶陽、荒川豊蔵らと「からひね会」を結成、従来の桃山茶陶に固執するだけでなく、時代の沿った新しい焼き物を展開していきます。

1956年、萩焼が山口県指定無形文化財となりその保持者に認定され、1959年には萩焼陶芸会会長に就任しました。

萩焼の陶土はざらめきと釉薬の共鳴が魅力ですが、10代三輪休雪は当時は主流ではなかった白い釉薬を好み、研究を重ね消化した独自の技法は「休雪白」と呼ばれるようになりました。

1967年に弟である9代三男が11代を襲名し、同年に紫綬褒章も受賞します。

萩焼は日本陶芸会の中央から置き去りにされたともとれる不遇の時代がありましたが、10代三輪休雪の功績で今日のように広く認知されました。

隠居後は休和と名乗り三輪休和の号で作陶を続け、1970年に重要無形文化財「萩焼」の保持者(人間国宝)に認定、1973年には勲四等旭日小綬章を受賞しています。

晩年まで作陶を続け、1981年に86歳で逝去されました。

 

 

10代三輪休雪、三輪休和の作品をお買取いたします。

江戸時代から続く萩焼の伝統美をひろく社会に広め、自らも人間国宝となった10代三輪休雪の作品は、没後40年近く経つ現在も衰えない魅力で蒐集家に人気があります。

先代や、11代以降の現代陶芸とも異なる、伝統と創造が見事に織り交ぜられた作陶は、末永く愛蔵できる品物が多く、中古美術市場でもお取引がみられます。

 

いわの美術では骨董品・美術品を中心に幅広くお買取しており、茶道具、茶陶をはじめとした三輪休雪の萩焼もお買取に力をいれております。

ご自宅やご実家、蔵や倉庫をお片づけされて、ご売却をお考えの三輪休雪のお品物がございましたら、いわの美術にお任せ下さい。

10代三輪休雪のほか、11代三輪休雪(三輪寿雪)12代三輪休雪(三輪龍気生 または 龍作)なども作品によりますがお買取を強化しております。

三輪壽雪は厚い白釉の鬼萩、三輪龍作は非常に変わった作品から茶碗まで幅広い作風がそれぞれ人気の作陶家で、いずれも三輪休和と同じく人間国宝となっています。

 

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