今回、いわの美術がお買取したお品物は、13代坂田泥華の萩茶碗です。
坂田泥華は山口県長門市深川にて代々継承されている萩焼の陶芸家の名で、萩焼の始祖である李勺光(りしゃくこう)の流れをくむ家柄です。
また、坂倉新兵衛、田原陶兵衛、新庄助右衛門と合わせて深川は萩四家の一つに数えられています。
13代坂田泥華は12代の長男として生まれ、戦後の萩焼を語る上で欠かせない人物として知られており、萩焼の重鎮とされています。
特に井戸茶碗の研鑽を積み、「泥華井戸」と呼ばれるおおらかで伸びのある独自の優雅な作風を確立し、13代坂田泥華ならではのろくろ造形も魅力の一つです。
また、焼成時に釉を剥ぎ取る事により、柔らかい斑紋を表現した剥離釉などの新しい技法を生み出した事でも知られています。
1950年に13代坂田泥華を襲名しましたが、後継ぎであった息子が2004年に他界してしまったため、息子に15代を追贈すると、自らは14代坂田泥珠と号するようになりました。
現在、坂田泥華は16代を誰が継ぐのか不明のままとなっています。
お買取した13代坂田泥華の萩茶碗はまさしく得意とした井戸茶碗でした。
3重共箱で、作者の略歴などがしっかりと残っている状態でしたので、高価買取で対応させて頂きました。
付属品は買取額をアップさせる重要な存在ですので、たとえ包み紙一つにしても処分せずに保管しておく事で高価買取へと繋がります。