こちらのお買取したお品物は、茶道具としても使われる煙管です。
買取した煙管は、雁首が糸目の煙管一双で、十一代中川浄益の作品です。
中川浄益は、千家の正統的な茶道具を制作する千家十職の一つ、金物師・錺師の中川家当主が代々襲名する名称で、今回買取の十一代中川浄益が逝去した後は、空席が続いています。
金物師は、風炉、釜、水指、建水、蓋置などの茶道具や、盆や煙管などを、鉄、金、銀(南鐐)、銅、青銅、真鍮などの多種な材料から製作しますが、元々、中川家は甲冑や鎧等の武具を制作していました。
初めて茶道具を手掛けたのは、初代が千利休の依頼を受けて薬鑵を制作した事で、利休はその出来ばえに満足し、これを契機に以降、中川浄益は茶道具を家業とする事となりました。
今回買取の中川浄益の作品は、如心斎好の煙管一双です。買取した煙管は、刻みを詰める雁首と、吸い口の部分が金属、その間をつなぐ部分の「羅宇」が、竹でできた羅宇煙管です。
煙管は、江戸時代中期の細刻み煙草の登場に伴い、文化としても浸透していき、庶民は庶民なりに、武士は武士なりに、煙管の「美」を追い求め、ついには、茶の湯の一部となっていきました。
茶道では、薄茶の時、座布団に続いて、莨盆に煙管を一双(二本)添えて、正客の前に持ち出されます。煙草を吸う場合は、正客は次客に勧めた後、煙管を取り、莨入れから煙草を火皿につめ、火を付け、吸い終われば吸殻を灰吹に落とし、吸口・雁首を清めて次客に送ります。
表千家と裏千家では煙管の長さが異なり、正式には一対にして使いますが、略して一本だけで使用する場合もあります。
煙管は、茶道具の喫煙道具としてだけでなく、骨董コレクションとして蒐集されている方も多く、いわの美術でも、時代物や作家物の煙管の買取に力を入れております。
煙管のコレクション整理をお考えの方、遺品整理や蔵の整理ででてきた煙管のご処分をお考えの方など、お気軽にお問合せください。煙管買取は出張買取・宅配買取、お持込での買取対応をしております。