今回、いわの美術がお買取したお品物は諏訪蘇山の青磁三足香炉です。
諏訪蘇山は初代が56歳の時に独立し、京都五条坂に開窯した事からその歴史が始まり、当代で4代目となっており、女性の当主という事、その母親は千家十職の塗師をつとめる12代・中村宗哲だという事で注目を集めています。
諏訪蘇山は初代から当代まで共箱には共通印を使用しており、作品を見分けるためには作品に押されている陶印や箱書の文字で判断する事ができます。
ちなみに陶印は初代が楕円、2代が丸印、3代が角印、4代が三角印となっており、今回お買取した青磁三足香炉には丸印が使われていたため、2代・諏訪蘇山の作品という事が分かり、作品の状態も傷や汚れのない非常に良い状態を保っており、純銀の火舎(ほや)が使われていた事が高価買取へと繋がりました。
ここに共箱と呼ばれる作品を収納する木箱もご一緒でしたら更に評価はプラスとなり、買取額はアップしました。
今回お買取した2代・諏訪蘇山は大正~昭和時代に活躍した女性の当主で、初代・諏訪蘇山の弟の次女で、初代の養女として迎えられ2代・諏訪蘇山の名を受け継ぎ、女性らしい繊細さと優しさを持った作品を展開しています。
また、今回お買取した青磁三足香炉は諏訪蘇山の代表的な作品の形状の一つで、実際に香炉として使用する以外にも観賞用として所持している方も多く、中古市場でも高い需要のある作家の一人です。
そのため、活躍した年代の古い諏訪蘇山の作品は現存する数も少なく、市場に出回る数が限られているため、高価買取となる傾向がございます。