こちらのお写真のお品物は以前、いわの美術がお買取した純銀製の霰文風炉釜です。
鐶付と呼ばれる釜や風炉を持ちあげる際に使用する鐶を通す孔を開けた耳がついており、デザインが獅子を模っていました。
純銀製という事で高価買取となりましたが、共箱もなく、全体的に使用感があったため、その分はマイナス評価となってしまいました。
茶釜の買取では錆びや穴開きは大きく買取額が下がってしまうため、保管の際は茶釜をしっかりと乾燥させてから片付けをしないと、気付かぬうちに錆びが発生し、進行すると穴開きの原因となってしまいます。
小さな穴であれば修理をすれば使えるようになりますが、修理跡は買取額に大きく影響してきますので、少しでも高く買取ってもらいたいとお考えであれば、錆びを発生させないようにする事が大切です。
また、茶釜の側面を素手で触ると手の油分でシミになってしまい、こういった部分もマイナス評価となってしまいますので、絶対に茶釜の側面は触らないで下さい。
茶道には季節によって炉の季節、風炉の季節と分かれており、風炉釜は風炉の季節に使用するため、5月から10月に行われる茶の湯の席で使用されます。
炉と風炉では使われる茶釜の形状も異なっており、風炉の場合はひっかかるように釜の下の方に凹凸などが付けられ、風炉に落ちないようになっています。
また、風炉釜は風炉と炉がセットになった切合風炉釜があり、代表的なものに鬼面風炉、朝鮮風炉、琉球風炉などがあります。