今回お買取したお品物は、栃木県在住で益子焼の女流陶芸家として知られている島田恭子の作品で櫻文長皿です。
作品に桜や植物の絵を描く事で知られている島田恭子は、茨城県の岩瀬町(現・桜川市)出身で、高校卒業後に東京の日本橋にある総合商社に入社し、事務職希望でしたが秘書課に配属され、都会での華やかで楽しいOL生活を満喫していたそうです。
それから4年後に百貨店にて幾何学的なストライプ紋様を確立し、世界的に活躍している益子焼作家の瀬戸浩の展覧会を訪れた際に、展示さていた作品に大きな影響を受けると、すぐに栃木県益子にある瀬戸浩のアトリエを訪れ、弟子入りを志願したようです。
しかし、すでに弟子がいたためか、断られていまいますが、東京に戻った後も瀬戸浩宛てに弟子入りを願うことや、自身の思いを手紙にして送っています。
その後、頂いた返事の手紙には、男性の多い陶芸への道へ進むことへの気遣いを感じつつも、覚悟を新たに問われているような「益子に入り陶芸を志すことは髪を切り仏門に入るのと似ています。この町には焼物以外の何もありません。」と独特の表現で書かれていたそうです。
瀬戸浩の弟子になることは叶いませんでしたが、OL生活を捨て、陶芸家としての道を選択し、栃木県立窯業指導所を卒業後に作陶を開始しています。
このように、特定の師を持たない島田恭子は、瀬戸浩展で拝見したような良い作品に出会い、それに負けない作品を手さぐりで目指すというスタイルを築いています。
そんな島田恭子の作品は、見た人に「何焼きですか?」と聞かれるそうです。
作風としては、上品で女性らしさを感じますが、繊細ながらダイナミックだといわれており、頭の中にある絵のレイアウトのみで一気に描きあげます。
そのため、描いているうちに、イメージしていた絵と若干違う絵になる事があるようで、島田恭子自身は「本当はここにも花を描きたかったんだけど、スペースがなくなっちゃったからこっちに描いちゃえっていう感じに、ひとつひとつは細かいけどけっこう自由に描いてるんですよ」と話しています。
今回お買取したお品物も非常に可愛らしくも上品であり、使う事で描かれている桜も喜んでくれそうな、用の美を感じる素敵なお品物で、共箱付きということもあり、高価買取となりました。
いわの美術では島田恭子買取に力を入れていますので高価買取も期待できます。
お引越しなどの整理で島田恭子売却をお考えであれば、まずは、お電話、メールにてお気軽にご相談下さい。