今回いわの美術では、塗師土居義峰が製作した霞雲錦蒔絵中棗をお買取り致しました。
土居義峰は、1964年下地師と呼ばれる彫金の素材となる彫り下地を作る職人の家に生まれ、幼い頃から両親の仕事する背中を見て育ちました。
その結果両親の仕事に憧れを持った土居義峰は、16歳の時山中塗の塗師で伝統工芸士にも選ばれた前端雅峯に弟子入りします。
そこで彫金で使う彫り下地を作る技術を教わり、修得後には漆蒔絵の技術も学びました。
その後、30歳で茶道美術公募展「淡交ビエンナーレ」に作品を出品し、1999年には技術力が買われ伝統工芸士の称号を受けます。
今回お買取りしたお品物は、朱色を背景に金蒔絵で霞と雲錦文様を描いた中棗となっています。
雲錦とは、色絵文様の1つで桜と紅葉が両方描かれ、桜を雲・紅葉を錦織と表現した文様で、春の桜と秋の紅葉が描かれている事から、お茶道具としては季節問わず使う事が出来るのです。
また霞は、空気中の水滴や塵などで空がぼんやりする現象を模様で表し、空間の奥行なども表現する際に使われている文様です。
金色の蒔絵だけで描かれていますが、素朴ながらとても上品さを感じさせる素晴らしいお品物となっています。
また、棗の蓋を開けると中は朱色や黒ではなく銀色の漆が塗られていて、更に高級感と上品さが感じられます。
こちらのお品物は、遺品整理でお伺いしたお宅からお買取りしたお品物です。
ご依頼主の方は、奥様の遺品を整理したいとのご相談でした。
亡くなった奥様の遺品を見る度に思い出が込み上げ中々片づける事が出来なかったそうですが、自身も高齢になり今後片づけるとなった時に動けないと困ると思い、ここがタイミングではないかと思い切ってお電話を下さりました。
ご自宅の中には、奥様が買われたお茶道具・ガラス製品・着物・ジュエリーなど様々なお品物があり、旦那様とご相談しながらお買取りさせて頂きました。
弊社いわの美術では、亡くなったご家族が大事にされていたお品物のお買取りをさせて頂きます。
大事なお品物を1点1点丁寧に査定し、次に使って頂ける方とお客様の橋渡しをさせて頂きます。
また遺品整理以外でも、生前整理・蔵の整理・コレクションの整理などで出てきたお品物もお買取り致します。
「ゴミに出すには勿体ない」「家の中を片づけたい」などお困りな事がございましたら、お気軽にご相談下さい。