今回、いわの美術でお買取りいたしましたお品物は『中村宗哲 十四代淡々斎書付 紅葉蒔絵香合』です。
天然木地に漆塗りが施されており、その上に紅葉の蒔絵が繊細な絵付けで丁寧に描かれている香合で、
蓋裏には裏千家十四代淡々斎の花押があります。
非常に美しく気品を感じられる見事な出来栄えの貴重な逸品です。
≪中村宗哲≫
作者の中村宗哲は、千家十職の塗師として、400年近く続く茶道具専業の塗師の家系です。
中村宗哲という名は、初代から続く中村家の当主が代々襲名している名前で、当代で13代目となって
おり、現当主は女性という事でも知られています。
千家十職とは茶道に関わり、三千家に出入りする事が許されている茶碗師や塗師、指物師といった
十の職家を表す尊称で、代々の家元によってその数が変動していましたが、明治期には現在のように
十職に整理されました。
そんな中村宗哲のはじまりは、千宗旦の次男・一翁宗守が吉文字屋・吉岡与三右衛門の養子となり、
吉岡甚右衛門と名乗って塗師を営むようになったことがはじまりでした。
しかし、宗守は宗旦から官休庵(武者小路千家)を譲り受ける事となったため、吉岡家を出る際に、
与三右衛門に家業を譲り、与三右衛門が初代・宗哲と名乗るようになり、こうして塗師・中村宗哲が
誕生したのです。
塗師 中村宗哲の作品はいわの美術へ!
今回、依頼主様より弊社へお問合せを頂いた際に、御祖母様が茶道教室の主宰をしていたため、
茶道具がかなり残っており、写真を送るには個数もあるため何点か見て欲しいとのご連絡を
頂戴しました。
そのため依頼主様と打ち合わせをさせて頂いたうえで、茶道具まとめてのお買い上げをし、
そのなかの1点をご紹介してみました。
茶道具でお買取り出来るお品物は、茶碗・茶筅・茶杓・茶釜・風炉・棗・茶入・水指・香合・
蓋置・建水・棚物等々……様々な種類がございます。
ご売却・査定を検討されている場合に、作家物はもちろん、今回のように淡々斎書付などの
作品ですと、同じ香合のお品でも付加価値が付くため、評価額が高くなってまいります。
しかしながら、一般の方が見ても読めず判断の難しい事が多いため、ご自身でご判断をせずに、
箱書きや作品・陶印などの画像(写真)を、事前に弊社にお送り頂ければ此方で確認、お調べする
ことも可能です。
処分等に迷われた際には、いわの美術へご相談を頂ければと思います。
また弊社には専門の鑑定人がおり、常に変化する中古市場の動向を踏まえ、お客様に適正価格を
ご提示致します。
長年培ってきた知識と眼力でお客様に御納得して頂けるよう査定させて頂きます。
茶道具のご売却を御検討の際には、是非いわの美術へご連絡をお待ちしております。