今回いわの美術では、山口県指定無形文化財に認定された波多野善蔵の萩茶碗をお買取り致しました。
波多野善蔵は1942年に佐賀県で生まれます。
実家の近所には陶芸家・中里無庵の工房があり、幼少期の頃から工房に遊びに行っていたそうです。
最初はもちろん遊び場感覚だったのですが、だんだん陶芸作品の魅力にとりつかれていき、次第に陶芸家を目指すようになります。
その後、陶芸家になる為実家を離れ山口県に移住し、陶芸家吉賀大眉と知り合い弟子入りを果たしました。
吉賀大眉の元で厳しい修業をした成果が表れ、30歳では自身の作った作品が山口県美術展知事賞を受賞します。
この受賞を皮切りに様々な作品で入賞を果たし、またちょうどその頃萩焼窯元の指月窯が跡取りを探しているという事を聞きつけた波多野善蔵は、養子になる事を決意し指月窯の波多野栄三に師事し作品作りを学びます。
修行中、一部に釉薬をかけずに焼き上げて釉薬がかかっていない部分を赤橙色に発色させる「緋色」という技法を生み出しました。
その後も萩焼の基本を残しつつ独自の作品を作り上げていき、2002年には山形県指定無形文化財保持者となり、現在は息子と共に親子2代で作陶に励んでいます。
波多野善蔵の作品は、萩焼特有の淡い色合いの中に上品さを醸し出しているのが特徴で、中でも「緋色」シリーズは人気が高いです。
今回お買取りしたお品物は全体的に釉薬がかかっていましたので「緋色」シリーズではありませんでしたが、シンプルでありながらとても美しい作品となっています。
こちらのお品物はお茶道具を教えていた神奈川県の方からお買取り致しました。
弊社いわの美術では波多野善蔵の作品をお買取りしておりますが、それ以外にも様々なお品物をお買取りしております。
茶道具・絵画・掛軸・書道具・彫刻・洋食器・ガラス工芸品・書物・小判・大判・武具など数多くのお品物をお取扱いしております。
売れるかどうか気になるお品物がございましたら、いわの美術までお問い合わせ下さい。