今回いわの美術でお買取りしましたのは、人間国宝にも認定されております十代三輪休雪の雀香合です。
三輪家は、初代三輪休雪が萩藩の初代当主から招かれ、御用窯として萩焼を作った事から始まり、現在は十三代が活躍されています。
本名を邦広と言い、九代三輪休雪の二男として生まれます。
代々続く陶芸家の家に生まれた十代三輪休雪は、幼少期から祖父の八代目三輪休雪に陶芸の技術や基礎を学びながら、学校の勉強も怠る事はありませんでした。
その為、中学校に上がる頃には成績が優秀でそのまま学校にも通い続けようと思っていた矢先、祖父から「陶芸に学はいらない」と言われた事で学校を退学する事を余儀なくされます。
その後祖父の勧めで江戸千家流の阿部直彦に茶道、宝生流の渡辺蒿蔵に謡曲を学び、陶芸だけではなく様々な芸を学びました。
その後、父親の九代三輪休雪の隠居に伴い42歳で三輪窯を譲り受け、同時に十代三輪休雪を襲名しました。
十代三輪休雪を襲名してから約30年製作活動を続け、72歳で隠居後は実の弟に休雪の名を譲渡し、自身は休和という名を名乗ります。
隠居する11年前に萩焼の無形文化財に認定、隠居した同年には紫綬褒章を受章、その三年後には萩焼の人間国宝に認定されます。
十代三輪休雪は、隠居後も積極的に萩焼の研究と後世への指導を行った事や、隠居前の活躍が称えられ、1972年に萩市の名誉市民、翌年には勲四等旭日小綬章を受賞しました。
その後、86歳でこの世を去ります。
今回お買取りしたお品物は十代三輪休雪が製作した雀の香合です。
大きさは6㎝程でとても可愛らしく白釉薬がかかっているのが特徴のお品物となっています。
白釉薬は十代三輪休雪と実の弟である十一代目三輪休雪と共同で作った釉薬で、志野釉薬のような白さと似ています。
十代と十一代の三輪休雪が共同で作った事から、釉薬には「休雪白」と名付けられました。
お買取りしたお品物には、共箱もついており品物も状態が良かった為、高評価にてお買取り致しました。
弊社いわの美術では、十代三輪休雪の作品をお買取りしております。
頂いた物、譲り受けた物、遺品で出てきた物、コレクションされていた十代三輪休雪の作品がございましたら、是非いわの美術までお問い合わせ下さい。