今回、いわの美術にお譲りいただいた写真のお品物は、
北大路魯山人や荒川豊蔵等の近代陶芸の巨匠からも絶大な信頼を置かれ、
山中塗の名を知らしめた山中塗随一の名門『辻石斎作 溜塗梅蒔絵三友棚』です。
地板が四方型、天板が丸型、竹の二本柱の小棚で三千家が共に好んだ三友棚です。
落ち着いた色合いに光沢のある溜塗仕上げ、木地は厚めでしっかりしており安定感のある逸品です。
茶道具の分野において非常に名声の高い山中塗。そして山中塗の第一人者である辻石斎。
初代:辻石斎は木地師として活躍しました。二代目は千家御家元より御用を賜わるなど多くの
重要な制作を行いました。
また北大路魯山人との繋がりも深く、共同制作した『一閑日月椀』『唐人椀』など名作を遺して
います。
特に数多くの名作を生み出したと言われているのが四代目です。
三代目を早くに亡くしてしまい、その存続が危ぶまれ若くして四代目:辻石斎を継いだのですが、
その類い稀なるセンスと創造性、そして技術力の高さで山中塗を完全復活させた功労者としても
知られています。
そして現在、五代目:辻石斎として、その伝統を引き継ぎながらも新たな世界を築き上げています。
五代目は、帝京大学経済学部経営学科卒業後より研究を重ねていくために茶道具商で六年間勤務します。
その後、四代目に師事しており、平成15年に五代目として襲名することとなりました。
ニューヨーク・モマ近代美術館で蒔絵実演や、魯山人展に企画参加など、山中塗を現在も積極的に
広げていく努力を続けています。
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こちらのお品物は今回、茶道教室を開いていたお母様の遺品整理という事で、茶道具全般をまとめて
お譲り頂いたなかの1点をご紹介いたしました。
ご依頼頂いた方のなかには、様々な御事情があって、お問い合わせをいただくこともございます。
いわの美術では、お客様が大切に使用されていたお品を新しいお客様へ繋ぐお手伝いをさせていた
だければと思っております。
今回は、茶道具全般をお買取りさせて頂きましたが、弊社では美術品や骨董品など幅広くお買取り
を行なっております。
蔵や家の解体・生前整理・遺品整理・お引越し等々…ただ捨てるには忍びない思い入れのあるお品
物などがございましたら、いわの美術にお問い合わせください。
中古市場の需要と供給、お品物の相場をお調べしてから査定額をお出しします。
お客様にご納得頂けましたらお買取り成立となりますので、安心してお問い合わせ下さいませ。