1968年石川県能美市に生まれた米久和彦は、陶芸家の道を目指し金沢美術工芸大学美術学科へ入学し油彩画を専攻し22歳で卒業すると、今度は石川県立九谷焼技術研修所へ入学し九谷焼の技術や知識を学びます。
石川県立九谷焼技術研修所を24歳で卒業した米久和彦は、1996年米久窯を作り独立を果たします。
その後、作陶を繰り返しながら2001年には各地で個展を開催できるようになり、米久和彦の名は脚光を浴びるようになります。
個展を各地で行った事で米久和彦の名が数多くの人に知れ渡った結果、横浜市山手西洋館内にある外交官の家にて創建百歳を祝うテーブル&フラワーコーディネートに参加し自身の作品の展示なども行いました。
横浜市山手西洋館でのテーブル&フラワーコーディネートが行われた同年には、東京で最高級ホテルと言われているウェスティンホテル東京「舞」と共同で花と器と宴「秋の宴」を開催し、翌年には同じくウェスティンホテル東京「舞」で四季の彩り―花と器と宴を開催しました。
2013年には、元首相森喜朗がロシアを訪問した際プーチン大統領に米久和彦の作品を寄贈された事から、日本のみならず海外でも評価が高く、また外交の寄贈品などにも使用される素晴らしい作品という事がわかります。
米久和彦は、50代になった今でも数々の素晴らしい作品を作り続けている素晴らしい陶芸家です。
今回お買取りした米久和彦の小鉢には赤絵金襴手で模様が描かれた作品です。
赤絵金襴手とは九谷焼の技法の一種で、赤で模様を描いた上から金で模様を描く事を赤絵金襴手と呼びます。
米久和彦は、赤絵の中でも極細の筆で模様を描く九谷三大技法の1つ、赤絵細描を得意としています。
赤絵細描は、弁柄と呼ばれる鉄瓶を含んだ、にじみにくい赤い顔料を使用し、極細の筆で髪の毛のような細い線の模様を描いていく技法です。
江戸後期から明治初期まで栄え、全盛期の頃には200人程技術者がいたそうですが、技術を習得するのが難しくその数はだんだん減っていき、今赤絵細描を使える職人は数えるほどしかいないそうです。
技術はとても難しいですが、赤絵細描で描かれた作品は息を呑む程美しく、その美しさに惹かれ多くの人々を虜にさせています。
ちなみに、金襴手はその美しさが織物の金襴に似ている事から金襴手と呼ばれるようになりました。
今回いわの美術が買取しましたのは、米久和彦の赤絵金襴手小紋桜花図 小鉢5客揃です。
こちらの作品は米久和彦が得意とする赤絵細描で模様が描かれた小鉢となります。
小鉢の縁に小紋のような細かい模様、器の中央には赤絵の桜と金彩の桜が3つ、器の底面部分にも細かい模様が描かれています。
細かく描かれた縁と底面の文様と桜は金で縁どられていて、とても豪華な作品に仕上がっています。
こちらの作品は、箱に少し汚れがあったものの、作品自体にはカケや金彩のスレがなかったので高価買取させ頂きました。
弊社いわの美術では米久和彦の作品をお買取りしております。
頂いて使っていない物や、購入して飾っている米久和彦の作品がございましたら、是非いわの美術までお問い合わせ下さい。
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