田村耕一の白磁香炉をお買取り致しました。
彼は鉄絵の技術で人間国宝に認定されています。
戦後の京都で富本憲吉に作陶の技術を学び、地元に帰郷後、1953年独自に開窯して本格的な作陶を開始しました。当初は柿釉、黒釉、黄褐釉といった伝統的な鉄釉に鉄絵で絵付けを施した作品を制作していましたが、1970年代頃より辰砂釉、青磁作品にも鉄絵の技法を展開しています。
さて今回の作品は清楚な美しさ漂う、気品あふれた白磁香炉です。
香炉は茶道具や仏具として用いられ、香を焚くための器となります。茶室などでは香をかいで種類を当てる聞香が行われており、また飾りとしても使われていました。
こちらの香炉は木の蓋が合わせてあります。蓋の摘み部分は瑪瑙でできており、全体の雰囲気を壊さない細やかな装飾がアクセントともなっています。