埼玉県の方から棗をはじめ、茶道具の買取りをさせて頂きました。
作者は加賀蒔絵師の岡本康光で、作品には12代堀内宗完(兼中斎)の花押があります。
岡本康光は表正則に師事して修行を重ね、現在は独立して蒔絵師として活動しています。
作品は唐松蒔絵の大棗です。
蒔絵の他に螺鈿が施されており、光の加減で見え方が変わります。
黒真塗地に唐松の枝葉が映え、古典的な唐松の中心に施された螺鈿が良いアクセントとなっています。
季節や流派を問わず使え、飽きのこない素敵なお品物ですね。
また単純な模様と思われがちな唐松ですが、きれいに描くのは難しく、作者の技量が問われます。