お写真のお品物は、以前いわの美術が岐阜県にお住まいの方からお買取りさせて頂いた、川邊憲一の七宝紋亀甲風炉です。
風炉は茶道具の1つで、茶釜を火に掛けて湯をわかす為に使用する炉の事で、夏を中心に5月初めごろから10月末ごろまで使用されますが、冬でも炉の無い所のお点前では風炉を使用します。
しかし、武野紹鴎、千利休が炉の点前を定めるまでは四季を問わず風炉が使用されていました。
作者の川邊憲一は茶釜作りで有名な川邊庄造の3代目として活躍している作家です。
2代・川邊庄造の長男として生まれ、父に茶の湯釜作りの技法を学びました。 奈良西大寺、奈良秋篠寺、大徳寺徳禅寺などに釜を奉納した事もあり、現在では人気の釜師として活躍しています。
また、長女の川邊尚子も茶の湯釜作りに励んでいます。
お買取りした七宝紋亀甲風炉は、上から見ると何とか分かる亀甲の形をしている風炉でした。
また、七宝紋とは輪つなぎの一種で、円形を四つ重ねてつないだ連続文様のことです。
お買取りした茶釜はこの七宝紋がバランス良く配置され、実に見事な出来栄えでした。
共箱の他にも、購入時に収められていた段ボールの箱もご一緒に保管してあり、とても綺麗な状態でお譲りいただきました。