こちらは先日お買取りさせて頂きました、坂倉新兵衛の萩焼の茶碗です。
もともと萩焼は李朝より連れて来られた二人の陶工によって始められています。坂倉新兵衛はこの二人の陶工のうち、李勺光の系譜を継ぐ萩焼の窯元です。
はじめは山村新兵衛との名乗りでしたが、6代目の頃より坂倉姓に改姓しました。
坂倉新兵衛は坂倉家当主に代々受け継がれている名で、現在は十五代坂倉新兵衛正治が活躍されています。
今回お買取りした萩茶碗の作者、十四代坂倉新兵衛は十三代坂倉新兵衛の子として生まれました。山口県出身で東京の大学院で学んだ後、帰郷して本格的に家業に従事しました。
ただ帰郷後すぐに父を亡くしてしまい、伝統的な陶法はあまり伝授されないまま独自に家伝の技法を習得します。
父から伝統の茶陶を教授されなかったためか、独自の自由な造形で作域を広げて活動されています。