今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、表千家流高倉久田家12代・久田宗也(尋牛斎)の書です。
表千家流高倉久田家とは、清和源氏源満季流御園氏末裔といわれ、室町末期の佐々木義実の家臣で久田実房という武人が元祖とされた久田家の4代不及斎の二男が継いだもので、現在は13代が当主となっていますが、それまでに2度、一時中絶となっている事でも知られています。
また、4代不及斎の長男は両替町に移り両替町久田家を起こし分家しています。
久田宗也(尋牛斎)は、表千家13代千宗左に学び、表千家流茶道教授として活躍しました。
また、博識であった事から「茶の道具」「茶の湯用語集」などの著作も残しています。
久田宗也(尋牛斎)の自作道具、書や画賛、好道具などは表千家道具と呼ばれ、茶の湯でも人気のあるお品物です。
お買取りした茶掛には「清渓一片月」と書かれており、現代の言葉に直すと「清らかなせせらぎに半月が見える」と書かれています。
文字の背景には薄く松月画が描かれていました。
共箱もあり、とても綺麗な状態でのお買取りとなりました。