こちらは先日お買取りしました十四代酒井田柿右衛門のぐい呑です。
酒井田柿右衛門は有田焼の陶芸家で、江戸時代より代々その名が襲名され、現在は十五代が当代となっています。
作者の十四代酒井田柿右衛門は十三代酒井田柿右衛門の長男で、多摩美術大学日本画科を卒業後、帰郷して弟子入りしました。
祖父である十二代からは酒井田家一子相伝の上絵具の調合や絵付けを、父の十三代からは濁手素地の調整や成形、焼成の工程などを学んでいます。
1982年父親の逝去に伴い、十四代を襲名し、2001年には重要無形文化財「色絵磁器」の保持者にも認定されました。
十四代酒井田柿右衛門は国内のみならずアメリカやドイツ、シンガポール、フランス、ロシアといった各国で個展活動を行っており、海外でも高い評価を集めています。
今回お買取りした作品は濁手のぐい呑です。ぐい呑は小さいお品物ですが、十四代酒井田柿右衛門の濁手作品ということで高く評価されました。
濁手は柿右衛門作品の代名詞ともなっていますね。十四代酒井田柿右衛門の濁手作品では幾重にも釉薬が塗り重ねられ、重厚な作域を見せながらも、繊細に描き込まれた絵付けで、山葡萄や牡丹、花鳥など自然の意匠を用いた作品が多く制作されています。