今回、いわの美術がお買取したお品物は、純銀製の盃洗です。
保永堂得義造と共箱には書いてあり、2個セットの一対での買取となりました。
高級料亭などで見かける事のある盃洗ですが、マナーを知らずに出された時はどうしたら良いのか困った経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、盃洗はお酒の席で、盃を洗うために使用されるもので、一つの盃でお酒を飲み交わす時に使用します。
つまり、目上の人もしくはおもてなしする人から盃を頂き、その盃を盃洗ですすいでから同じ盃でお返ししてお酌をするという事です。 ちなみに盃洗が無い場合は、懐紙などで口に触れた部分を拭ってから盃をお返ししてお酌をします。
また、別の使い方では様々な人から盃を頂くと酔いが回ってしまうため、相手に気づかれないようさりげなくお酒を盃洗に流すという役割を持っています。
この文化は日本古来から続いているもので、昔は一つの盃でお酒を飲み交わして親睦を深める事を目的としていました。
そのため、現存している盃洗のほとんどが江戸時代後期から明治時代に作られたもので、現在はあまり見られる事の少なくなった文化の一つで、盃洗を製造している所も少なくなったと聞いています。
今回、お買取りした盃洗は、純銀製のお品物でした。 盃洗は、陶器や漆器で作られる事が多く、純銀製は特別な時などに使用するお品物です。
純銀の製品は、重さとその日の銀の取引レートによって買取額が決まり、長期間使用していないと空気に触れた事で起こる硫化によって黒く変色してしまいます。
黒く変色してしまいますと評価が下がってしまいますので、保管には十分に注意が必要です。