今回、いわの美術がお買取したお品物は南鐐つまみ鉄瓶で山本閑浄の作品です。
山本閑浄は京都の釡師で、茶釜以外にも鉄瓶や花器などの鋳物の制作を行っており、いわの美術でも何度かお買取を行った事のある作家です。
今回お買取した鉄瓶には共箱が付いており、閑浄造と書かれていました。
摘みの部分が銀で出来ており、銀は古くから南鐐と言いますので、こういった鉄瓶は「南鐐つまみ鉄瓶」と呼んでいます。
今回お買取した鉄瓶のように摘みが銀で出来ている場合、価値が上がりますので買取額も高くなります。
鉄瓶は茶道具の一つでもありますが、お湯をまろやかにしてお茶を美味しく飲めると近年注目を浴びており、普段使いでも使用している人も増えてきました。
取扱いが難しいと思われがちですが、お湯を沸かした後、お湯がまだ温かいうちに中身を捨て、鉄瓶の水分をしっかりと飛ばしておけばほとんど錆びる事はございません。
しかし、その材質上、大切に扱っていても錆びが出てしまう事はございますが、お湯が赤く変色しない限りは普通に使用しても問題はありません。
また、鉄瓶には大きく分けて2種類あり、京都を含む関西で作られる鉄瓶は茶釜に取っ手をつけたような形状で、摘み部分が梅の形をしており蓋は銅製なのが特徴で、釡底には鳴り金がついています。
もう一つは南部鉄瓶で鳴り金がついていないのが特徴です。
お買取した鉄瓶は京都の釡師の作品という事もあり、その形状から関西の鉄瓶である事が分かります。
関西の鉄瓶は簡易的なお点前で使用する事ができます。