お写真は、以前お買取させていただきました人間国宝 吉田美統作の釉裏金彩椿文花瓶です。
お買取の吉田美統の花瓶は、陶芸における技法の中でもっとも手間のかかるものの一つといわれる釉裏金彩の技法が用いられたとても艶やかな逸品です。吉田美統はこの釉裏金彩の第一人者として知られています。
石川加賀の伝統工芸である金箔と九谷焼が生んだ釉裏金彩という技法は、扱いにくい厚さの異なった金箔を切り取り、その組合せで模様を作り、その上から透明度の高い釉薬をかけて焼き上げるというものです。
金箔と釉薬だけのシンプルな組合せであるため、より一層の色彩のバランスを要し、金箔の配置にも注意が必要となる大変高度な技法です。
今回買取した釉裏金彩椿文花瓶の作者 吉田美統は、釉裏金彩の技法で国指定無形文化財(人間国宝)に認定された人物です。
釉裏金彩の技法は昭和30年代に竹田有恒により確立されましたが、吉田美統の釉裏金彩は竹田有恒のそれとは少し異なるとされ、文様部分より背景に効果的に金彩が用いられることが多いといわれています。
吉田美統の作品は、落ち着いた品格のある美しさを有し、優美な芸術品として国内はもとより海外からも高く評価されています。
今回買取の吉田美統の作品は、その釉裏金彩の技法が用いられた椿文様の花瓶で、裏面にも金箔の椿が描かれています。吉田美統の特徴的な淡い緑色が美しく、その緑が金を優しく包み込んでいるような雰囲気を持つ素晴らしい作品でした。
買取査定に際しては、作品の底裏面に若干汚れがみられたものの、吉田美統の落款、箱書付共箱と落款付共布、リーフレットなども付随しており、高価買取りにてお譲りいただきました。
吉田美統の釉裏金彩、金襴手などの作品をお持ちではありませんか?いわの美術では、吉田美統の作品を高価買取致します。
手放してもよいという吉田美統の作品がございましたら、是非いわの美術までご連絡ください。いわの美術では、お客様にご納得いただける買取額をご提示できるよう努めております。