こちらのお写真は、以前お買取致しました青磁ぐい呑です。お買取したのは、現代青磁の最高峰で人間国宝の三浦小平二(物故)の作品です。
青磁は青色から緑色に発色する青磁釉がかけられた陶磁器のことで、原始青磁の出土は、紀元前1500年ごろの中国と、長い歴史を有しています。その青磁の技法は17世紀ころ、朝鮮半島を経て日本に伝播しましたが、中国の南宋官窯や鈞窯の技法を取り入れ、独自の作品を生み出したのが、人間国宝 三浦小平二です。
三浦小平二は、新潟県佐渡の無名異焼の窯元 三浦小平の長男として生まれ、祖父には三代三浦常山という環境から、幼少の頃より窯元での作業などを目の当たりにしており、その実力とセンスを徐々に身につけて行きました。 三浦小平二は、東京芸術大学の彫刻科へと進み、色絵磁器の人間国宝加藤土師萌に師事し、様々な技法を学びました。
後に三浦小平二は、青磁に本格的に取り組むようになりますが、また、中国南宋官窯に強い影響を受け、研究を重ね独特な技法を開発しました。
三浦小平二は、酸化鉄を多く含む赤土で、朱色に焼き上がるのが特徴の無名異の朱泥土を素地に用いて、青磁釉をかけるという独自の技法を開拓しました。
その夢幻的な雰囲気をもつ三浦小平二の青磁作品は、日本だけでなく、パリやニューヨークなど国際的にも高い評価を得ています。
今回お買取させていただきました三浦小平二の青磁ぐい呑みは、まさにそんな三浦小平二を象徴するかのような作品です。
無名異土にたっぷりと青磁釉を掛けて適度な貫入を生じさせた作域は、古典的なバランスと高雅な気品を備えています。
お買取した三浦小平二のぐい呑みの形は、独特の丸みを帯びて柔和な雰囲気を醸し出しています。そのぐい呑みには、青磁釉が厚くかかり、生じた貫入は胎土の鉄分で赤褐色に染まっています。
なめらかな肌と、貫入の赤味をおびたヒビ対比も美しい作品をお買取させていただきました。
今回お買取したぐい呑は、プレーンな青磁の作品でしたが、三浦小平二は、青磁にさらに色絵を組み合わせた独自の作品でも有名です。
それは、それは「ミウラ青磁」とよばれ、青磁に人物や風物を描くという独自の作風で世界でも賞賛されています。
国際的にも評価の高い人間国宝 三浦小平二の作品は、一点からでも高価買取も期待できます。
いわの美術では、三浦小平二の青磁作品の買取を強化しておりますので、ご売却をお考えの三浦小平二の作品がございましたら、是非、ご相談ください。