今回、いわの美術がお買取したお品物は、リュージュのオルゴールです。
リュージュはオルゴール発祥の地であるスイスのオルゴールメーカーで、鳥のさえずりで有名なシンギングバードが有名です。
リュージュは1865年に時計職人であったシャルル・リュージュによって音の出る懐中時計を制作したことから始まり、その息子であるアルベール・リュージュによって会社組織として設立した会社です。
当時、リュージュのオルゴールはスイスの総輸出額の10%を占めており、ヨーロッパはもちろん、世界中で高い人気を誇り、オルゴールと言えば、「リュージュ」と言っても過言ではないほど大流行していました。
しかし、エジソンの発明品である蓄音機の登場や第一時世界大戦、大恐慌などリュージュにとって大ダメージとなる出来事が重なり、オルゴール産業自体が無くなる寸前まで追い込まれてしまいます。
そんな中、第二次世界大戦が勃発し、もう復活はあり得ないと誰もが思っていた時、ヨーロッパに駐屯していたアメリカ軍の間でオルゴールの優しい音色が徐々に人気を得て、大戦後、オルゴール産業は見事に復活する事ができました。
こうして、リュージュは今も昔も変わらず手造りでオルゴール制作を行っており、1つのオルゴールに3ヶ月の制作期間を設けています。
オルゴールの要であるムーブメントはもちろん、そのムーブメントを収めるボックスにも専用の木材加工職人が手掛け、最高品質のボックスを作り上げています。
今回、お買取したリュージュのオルゴールは、リュージュの中でも高い人気を誇る72弁のオルゴールで、クルミの無垢材を使用した非常にシンプルなタイプのオルゴールです。
多少の傷はございましたが、オルゴールの音色は素晴らしく、思わず聞き惚れてしまい心が癒されます。
保存状態は良好でしたので、高い評価での買取となりました。