インドボンベイ(現・ムンバイ)出身の現代彫刻家です。
同世代の彫刻家の中で最も注目されており、世界中で個展を開催すると大反響となる人気作家です。
現在はロンドンで暮らしており、イギリスを中心に活動を行っています。
インド海軍の水路学者の父とユダヤ人の母を持ち、幼少期はインドで過ごしました。
17歳でイギリスへ渡り、ロンドンの芸術大学などでアートを学びます。
その後インドを旅行した際にヒンドゥー教の寺院で見た鮮やかな色に影響を受け、初期の作品には色鮮やかな顔料を使った作品が見られました。
この時のカプーアは「アートをつくるのではなく、信仰をつくりたい」と語っており、作品に反映させていたようです。
次にカプーアは「モノを見る」という当たり前の事を不安定化させる作品を制作するようになります。
この作品は彫刻を神秘的空間に変貌させ、シンプルなフォルムの中に深い精神性を表す作品が見られるようになります。
「物質・非物質」「明・暗」など、一つの作品に二重の意味合いを込めた作品は、見る者を魅了し、斬新な試みは常にファンの期待を裏切りません。
その人気の高さから世界各国で大規模な個展を開催しており、パブリックアートの仕事も数多くこなしています。
近年では2012年に行われたロンドンオリンピックでイギリス最大のパブリックアート「アルセロール・ミッタル・オービット」という展望台を制作したり、ブルガリのB.zero1スペシャル・リングのデザインも手掛けました。